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前回の 2006年大会、開催国の日本は、男女ともベスト8。特に女子は、もっとやれたのではと、悔しさの残る成績でした。 今年、日本チームは、2008年2月に ベトナムのホーチミン市で行われた アジア予選(Thomas & Uber Cup Asian Qualifying Rounds 2008)を力強く戦い、男子は3位で、女子は2位で、本戦出場を決め、5月11日(日)〜18日(日)、インドネシアのジャカルタ市で行われた大会に参加しました。 そのもようは、スポーツ専用 CSテレビ放送『J SPORTS』の『J sports Plus』で 生中継されました。 トマス杯2008本戦は、中国、カナダ、ナイジェリアが グループAで、マレーシア、韓国、イングランドが グループBで、デンマーク、日本、ニュージーランドが グループCで、インドネシア、タイ、ドイツが グループDで、それぞれリーグ戦を戦い、その結果をもとに決勝トーナメントを戦います。 ユーバー杯2008本戦は、中国、ドイツ、アメリカが グループWで、韓国、香港、南アフリカが グループXで、デンマーク、マレーシア、ニュージーランドが グループYで、インドネシア、オランダ、そして日本が Zグループで、それぞれリーグ戦を戦い、その結果をもとに決勝トーナメントを戦います。 期待された日本チームの対戦結果を振り返りましょう。 大会直前、主催国のインドネシアは、タイムスケジュールをにらみ、ホームの利を生かせるよう 対戦順を変更してきたもようです。 開幕日の11日日曜日、熱狂的なファンを擁しバドミントンを国技と言うインドネシアが初戦の相手に選んだのは、かつて、中国がこの舞台に上がってくる前にライバルとして覇権を争い、現在は、実力世界2位と前評判を取った日本。そして、その日本の元気娘、小椋久美子選手は、腰痛のため、この大会への出場を断念しました。暗雲が垂れ込めます。 トップに登場した 第1シングルス は、廣瀬栄理子 選手(WR20位) と マリアクリスティン・ユリアンティ 選手(WR31位)。3月のドイツオープンでは、12-21 26-24 19-21 で敗れている相手です。今回も、9-21 22-20 22-20 74分と試合はもつれ、大変なアウェーの中、あきらめず丹念にラリーし、気持ちで引かなかった廣瀬選手が勝利しました! 次に登場した 第1ダブルス は、前田美順/末綱聡子 ペア(WR10位)と リリヤナ・ナトシール/フィタ・マリーサ ペア(同9位 中国スーパーシリーズ2007優勝)。これまでの対戦成績は、1勝1敗。1月のマレーシア スーパーシリーズでは、前田/末綱ペアが ストレートで勝っています。しかし、第1ゲームをあっさり取ったものの、第2ゲームインターバルあけから勢いに乗った相手に苦戦。興奮した観客の強力な後押しで打ち続けるインドネシアに防戦、防戦。以下 19本、14本、好ラリーを粘り負けて落としてしまい 63分で敗れました。 第2シングルス は、平山 優 選手(WR16位)と アドリアンテ・フィルデサリ 選手(WR33位 オランダオープン国際2006優勝)。これまでの対戦成績は、1勝1敗。1月の韓国スーパーシリーズでは、平山選手がファイナルで勝っています。しかし、コートの風の影響もあったか、バックアウトでカウントを悪くし、第2ゲームは 22-20 と逆転で取ったものの、気迫に勝る相手に対し、最後は13本で落とし、57分で敗れました。 次に行われた 第2ダブルス は、潮田玲子 (別ペアでWR6位)/松田友美(別ペアでWR13位)ペア と グレイシャ・ポリ/ ジョー・ノビタ ペア(WR15位)。コンビネーションに迷いの見える潮田/松田ペアは、チャンスに攻めきれない場面も。守りに徹し、14本、18本、ストレート46分で敗れました。 第3シングルス は、森かおり 選手(WR21位)と ピア・ゼバディア 選手(WR89位 ジャカルタサテライト2006優勝)。森選手は、19本、17本、ストレート40分で敗れました。 往年の有名選手も応援する地元チームの執念に、日本は、競りながらも1-4、まさかの敗戦です。 大会2日目の12日、日本男子は、朝8時からニュージーランドと戦い、すべてストレートで勝利しました。 同じく12日、朝8時から、日本女子は、2006年大会 で夢を打ち砕かれた因縁の相手、オランダと対戦しました。 第1シングルス は、廣瀬栄理子 選手と 中国から帰化した31才のベテラン、ヤオ・ジェ 選手(WR17位)。これまでの成績は、2-1で優位だったとはいえ、2006年8月から、久しぶりの対戦です。昨日の疲れが尾を引いたのか、16本、19本、39分で、廣瀬選手、敗れました。 次は、最終のダブルスをシングルス選手で組んでいるオランダに配慮して、第2シングルスの 平山 優 選手(WR16位)と ユディット・ミューレンデークス 選手(WR22位 オランダオープン グランプリ2007準優勝)29才。前回のユーバー杯2006では、廣瀬選手を破り、オランダ快進撃の力になった選手の一人です。初対戦は、中盤、競り合ったものの、17本、16本、34分で、平山選手が敗れました。 もう負けられなくなった日本。次の 第1ダブルス は、前田美順/末綱聡子 ペア(WR10位)と ドルマーレン/カトセン ペア(WR38位 オランダオープン 国際シリーズ2007優勝)。初対戦の勝負は、 ストレート、30分で前田/末綱ペアが勝ちました。 第3シングルス は、今別府香里 選手(WR71位)と カリーナ・デウィット 選手(世界ランキングなし)。2年前に日本をへこませた メンバーのひとり、この大柄な相手に 23-21 14-21 21-19、54分で、今別府選手、希望をつなぐ見事な勝利です。 最後、2-2で迎えた 第2ダブルス は、松田友美/内藤真実ペアと ヤオ・ジェ/ ユディット・ミューレンデークス ペア(WR61位)。潮田選手の急病で、予定外の出場となった松田/内藤ペアは、よく攻めましたが、左右ペアの迷いもあったか、18-21 22-24、39分で、惜しくも敗れました。 日本は、前回大会の雪辱を果たせず、2-3で敗戦。グループZリーグ3位が決定しました。 12日夜6時から、日本男子は、今大会、目標とするベスト4進出のために最重要視してきたデンマーク戦に挑みました。 第1シングルス、佐藤翔治 選手(WR18位) は、かつて世界のトップに君臨した ピーター・ゲード 選手(WR10位)、31才に挑戦です。第1ゲームは、接戦、19本で落とし、第2ゲームは、4オールから突き放して初めてゲームを取ると、ファイナルは、20オールから連取して、思い出に残る金星を挙げました。自らのリズムを保ち、スピードとショットの多彩さで、終始、集中した素晴らしいゲームを作り上げました。 次は、第1ダブルス、池田信太郎/坂本修一 ペア(WR10位)と ラース・ポースク/ヨナス・ラスムセン ペア(同6位 ヨーロッパ選手権2008優勝)。これまでの対戦成績は、1勝1敗。3月の全英オープン スーパーシリーズでは、池田/坂本ペアが ファイナル 12本で勝ち、ベスト4に進出しています。第1ゲームは、16オールから池田選手の好サーブで抜け出し、日本が取りましたが、第2ゲームインターバルあけから逆転され 17本で落とし、ファイナルゲームは、接戦の末、18本、69分で敗れました。デンマークも 危機感を持ち、強い決意をもって臨んだはずのこの対戦、集中を切らさず、忍耐強い戦いをやめませんでした。 第2シングルス は、佐々木 翔 選手(WR23位)と ヨアシム・パーソン 選手(WR16位 ヨーロッパ選手権2008準優勝)。第2ゲームは 12オールと 佐々木選手がよく粘って追いつく場面もあったものの、14本、17本、34分で敗れました。パーソン 選手は、2年前より、ずいぶん落ち着いて、腕を上げているなぁと感じました。 2-1と 後のない 第2ダブルス は、大束忠司/舛田圭太ペア(WR12位)が イエンス・エリクセン/ マーチン・ルンドゴールハンセン ペア(WR13位)と対戦。これまでの対戦成績は、0勝6敗。長い間、壁のように立ちはだかってきた相手です。第1ゲームは、追いつかれつつも抜かれずに 21-17 で先取。第2ゲームは、マッチポイントを取りながら逆転され 20-22 で落とし、ファイナルゲームも、延長、23-21、62分で敗れました。くやしい。 勝負のついた後の 第3シングルス、田児賢一 選手(WR46位)と ヤン・ヨルゲンセン 選手(WR48位)。これまでの対戦成績は、田児選手の2勝0敗です。第1ゲームは、13本でヨルゲンセン選手が取り、あとは棄権。先の戦いを考え、疲労を避けたもようです。 2006年大会では、0-5で敗れた相手デンマークに 精一杯の善戦。紙一重の結果。だからこそ、チャンスに鬼になり、調子に乗っていけたらとも思う対戦でした。 大会3日目の13日、日本女子は、午後1時からマレーシアと 決勝トーナメント初戦を戦いました。 第1シングルス は、廣瀬栄理子 選手(WR20位)と 中国スーパーシリーズ2007優勝の ウォン・ミーチュー 選手(WR9位)。これまでの成績は、2勝3敗ですが、2005年から未勝利の相手です。第2ゲーム、廣瀬選手は互角以上の戦いぶりで一時、 17-12 とリードしたものの、そこからギアチェンジしたようなウォン選手の速く大きく あきらめないラリーで 逆転され、ストレート、42分で、敗れました。 次の 第1ダブルス は、前田美順/末綱聡子 ペア(WR10位)と ウォン(他のペアとWR11位) /リム(他のペアとWR26位) ペア。マレーシアは、対戦成績4勝2敗ながら、最近の試合で前田/末綱ペアに勝てていないトップダブルスをくずしてきました。第1ゲームは、様子見の長いラリーの末のミスが響いて15本で失い、 第2ゲームは、イライラする展開の中、11点オールまで競りながら ミスで離されて18本、ストレート42分で 前田/末綱ペアが負けました。 崖っぷちの日本。第2シングルス の 平山 優 選手(WR16位)と ウォン・ペイシャン 選手(WR28位)の初対戦。平山選手は、第1ゲーム、10点オールから 迷いの中でミスが続いて失い、第2ゲームは、圧勝。気力を振り絞ったファイナルゲーム、13点までリードを保っていたにもかかわらず、追いつかれると思い切りの良さが見えなくなり、ミスも。19本でゲームオーバー。58分で、気持ちの強いウォン選手が勝ちました。 世界2位の実力と期待された日本女子チームは、ユーバー杯2008を 勝利なしで終わりました。 グループCリーグ を 2位で通過した日本男子は、同じく13日午後1時から、決勝トーナメント初戦 を ドイツと戦いました。 第1シングルス、佐藤翔治 選手(WR18位) は、マーク・ツーベラー 選手(WR26位 スウェーデン国際2008優勝・ポーランド国際2008優勝)に ファイナル5本、54分で勝利。 次の 第1ダブルス は、池田信太郎/坂本修一 ペア(WR10位)が 対戦成績1対1と五分の キンダーバーター/ホップ ペア(同15位 オランダ国際2008優勝)に 第1ゲームを19本で落とすと、第2ゲームを17本で取り返し、ファイナルゲームは、14オールから離され、16本、57分で敗れました。 第2シングルス は、佐々木 翔 選手(WR23位)と ディーター・ドンク 選手(WR109位 ヨーロッパ選手権2008ベスト8)。佐々木 選手は、初めての対戦相手に12本、16本、29分で敗れました。 第2ダブルス、またも2-1と 後のない場面で登場となった大束忠司/舛田圭太ペア(WR12位)は、 対戦記録のない スピトコ/フック ペア(WR27位 ヨーロッパ選手権2008ベスト8)と対戦。 22-20 21-18、41分で 勝利です。 勝負のかかる重要な 第3シングルス、田児賢一 選手(WR46位)と マルセル・ルーター 選手(WR159位)は、初対戦。21-19 21-15で田児選手が勝利し、日本男子は、3-2 でドイツに 辛勝! 準々決勝へ駒を進めました。 14日午後1時、日本男子は、ベスト4入りを目指して マレーシアと戦いました。 第1シングルス、佐藤翔治 選手(WR18位) は、世界2位の リー・チョンウェイ 選手(マレーシア スーパーシリーズ2008優勝)に 10本、16本、32分で敗れました。第1ゲームは、圧倒されたものの、第2ゲームは、集中を増した佐藤選手がリードを繰り返し、会場のマレーシアの応援も力が入った様子。ネットが冴えて 14点まで先行する展開に持ち込み、リー選手がいらだつ場面も。ジャッジの不運を感じましたが、佐藤選手が存在感を示した試合でした。 第1ダブルス、マレーシアは、ランキング順で対戦すると大束/舛田ペアに対して未勝利と不安のある第2ダブルスを崩し、クー・ケンキット(他のペアとWR5位) /チューン・タンフック(他のペアとWR4位) ペアを池田信太郎/坂本修一 ペア(WR10位)にぶつけてきました。予想外の対戦相手にとまどったか、緩急異なる左右ペアに 完全にペースを奪われ攻撃に回れず、13-21 11-21、31分で敗れました。 望みを託された 第2シングルス は、田児賢一選手(WR46位)。ウォン・チューンハン 選手(WR15位 世界選手権2003準優勝)に 第1ゲームは13本と差をつけられるも、第2ゲームは、一時、4点差をつけ優位に。結局は、17点オールから18本、39分で及びませんでした。 こうして、マレーシア にストレートで敗れ、日本男子チームは、3大会連続ベスト8でしたが、各国に充分脅威を与え、対策を講じられるなど、実力も評価もランクアップし、ベスト4に近づいていることが感じられました。 苦手な対戦相手には、ペアを組み替え勝機をねらうなど、相手チームの勝利への団結した渇望に対して、日本、特に女子は、選手個人で立ち向かった印象。図太い表情の対戦相手に、心細げで不安そうな様子が残念でした。応援する人々(私も含めて)が、北京五輪前に無理をしなくてもという空気を作ってしまったように思えて、悲しいです。その分、五輪の舞台に立たない選手に、爆発的活躍を期待したのですが。 団体戦は、選手の力を計るだけでなく、いかに共通の目標を設定し、役割分担して明るく前向きな雰囲気作りに 力を注ぐか。そうしないと勝てないと思います。そういう意味でも、2年後は、リサーチを完璧に、総合的に強力なチームを作り上げて、メダルを奪取してほしいと思いました。 好試合が満載で、最高に盛り上がった今大会、トマス杯、そしてユーバー杯を手にしたのは、中国。 男子は、韓国が初の準優勝、女子は、地元インドネシアが準優勝でした。 【関連リンク・参考書籍等】 *BWF『Internationalbadminton』(英語) *『tournamentsoftware.com』(英語) *カレント レポート *カレント レポート *バドミントン・マガジン 2008年5月号 *バドミントン・マガジン 2008年7月号 * バドミントン・マガジン の各号
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