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バドミントン国別対抗戦

トマス杯・ユーバー杯2006 雑感

(2006.6.18)

  2006年4月28日(金)〜5月7日(日)、仙台市体育館と東京体育館で開催のバドミントン国別男女別対抗『トマス杯&ユーバー杯2006』を会場外で楽しんだ宮本キミコの感想です。

 

初開催から58年を迎える男子の国別対抗戦(Men's Team World Championships)トマス杯 と、同じく50年を迎える女子の国別対抗戦(THE LADIES’ WORLD TEAM BADMINTON CHAMPIONSHIP)ユーバー杯 が16年ぶりに日本で行われることになり、バドミントン国別男女別対抗世界選手権『トマス杯&ユーバー杯決勝大会2006』(THOMAS & UBER CUPS FINALS 2006)として、2006年4月28日(金)〜5月1日(月)、宮城県の仙台市体育館で、5月3日(水)〜5月7日(日)、東京都渋谷区の東京体育館で、たくさんの観客を迎えて開催されました。


バドミントンファンにとって絶好の機会を前にして本当に残念なことに、入院手術後で安静の必要があったため会場に出かけられなかった私、宮本は、大会サイトと国際バドミントン連盟(IBF)のサイト『
Internationalbadminton』、アジアバドミントン連盟(ABC)のサイト『Asian Badminton Confederation』、そして、スカイパーフェクトTV! の『GAORA』と『卓球・バドミントンTV752』、NHK の総合テレビで大会の経過を追いました。

大会サイトには、日本ユニシスグループが試合経過を公開する
速報システム を提供して下さり、大感激! 結果を見るのもわかりやすく、画面操作も速いし、快適でした。

長年の夢がかなった思いでしたが、日本チームの準々決勝が『GAORA』で放送された3日(水)には、数時間後のテレビ映像を見終わるまで、あえて速報は見ないようにしていました。

みなさんご存じのように、結果は、男女ともベスト8に終わりました。とても残念でしたが、中継はダイジェストでなく、最後まで全て流され、試合を堪能することができました。映像も、すごく生き生きとしていて良かったです。音声は、特に、男子の時のアナウンサーと岩田良子さんの解説が明るくで好ましかったです。

気持はわかるのですが、解説は、やはり、ラモス瑠偉さんタイプの不満や叱責より、ニュートラルよりちょっと贔屓目な、励まし寄り添うスタイルがいいですね。

『卓球・バドミントンTV752』のアナウンサーと栂野尾昌一さん、NHKの陣内貴美子さんの解説も、以前よりもっと解りやすくなってきているように感じました。

バドミントンの日本語放送が急激に成長していることが実感される今回でした。


決勝進出が期待された日本女子チームを奈落の底に突き落としたオランダチーム。主に Aグレードの大会で活躍してきた
ジュディス・ミューレンダイクス 選手の個人成績、カリナ・デウィット 選手の個人成績は、ともに目立つものはありませんが、なぜか記憶に残っている名前に、過去のバドミントンマガジンをあたってみました。

ミューレンダイクス選手は、ユーバー杯2000決勝大会で中国のダイ・ユン選手に対してファイナルに持ち込んだ記録があります。

インドネシアで行われたユーバー杯2004決勝大会、出場を見合わせたミア・アウディナ選手を欠く中で、オランダはベスト8でしたが、優勝した中国のツォ・ミ選手とミューレンダイクス選手がファイナル勝負、おなじくゴン・ルイナ選手にデウィット選手がセティングと、いずれも負けましたが善戦しています。

21点ラリーポイント制で行われた
ヨーロッパ選手権2006(2006年4月12日〜16日 オランダ)でミューレンダイクス選手は、世界4位のドイツ、 XU Huaiwen選手と1時間ファイナルを演じ、ユーバー杯2006ヨーロッパ予選(2006年2月14日〜2月19日 ギリシャ)での成績からも好調だった様子がうかがえます。

また、7点5ゲーム制で行われたユーバー杯2002決勝大会でオランダは、ベスト4入り。ミア・アウディナ選手が単復で活躍し、準優勝した韓国の偉大なるラ・キョンミン選手からダブルスで金星を奪っています。陽気なオランダチームは、新システムにも団体戦にも強い所があるようです。

ケガと引退と妊娠により3人の選手が出られなくなった窮地を逆に力にして、セミリタイアしたカリナ・デウィット選手を呼び戻し、ベテランの味で勝利したオランダチーム。学ぶべき所が、たくさんありそうですね。


初めてみた21点ラリーポイント制の試合は、エキサイティングで楽しかったです。

サービス側が不利になるバドミントンの特徴から、点差が離れにくいので、食らいついていく根性が重要なようで、優勝した中国のリン・ダン選手(初戦のインド戦ファイナル・準々決勝のイングランド戦ファイナル)、シェ・シンファン選手(準決勝のオランダ戦)も含め、トップランカーが危なくなる展開が、まま見られました。

一方、ひそかにガラスの心臓と呼んでいた中国のバオ・チュンライ選手が崩れず勝ちきったのには、見直しました。

インドネシアのタウフィック・ヒダヤット選手に勝利した佐藤翔治選手、ミア・アウディナ選手に勝利した森かおり選手も、精神力の支えがあって、金星を手にしたと思います。


日本で国際大会を観戦できるのは、このところ毎年、東京で開催されているヨネックスオープンジャパン。7点5ゲーム制で行われた2002年大会では、舛田圭太選手がシングルスでベスト4に入り、大いに沸きましたが、従来の得点システムに戻って日本完敗と伝えられた2003年大会、ベスト8が4ペアだった2004年大会を経て、2005年大会では、小椋久美子/潮田玲子ペアがベスト4。

その間、運営面でも、盛り上がりを目指しての試行錯誤が感じられましたが、様々なファン層の望みに対応するには、道半ばなのかもしれません。

応援スタイルも、今後、洗練されて行くことでしょう。私としては、静かすぎると、日本人観客のタメイキが度々、会場を支配するので、少し にぎやかな方が楽しいです。

開催時期は、今回のように黄金週間では、遠方からの移動が大変そうですね。

全世代に愛される日本のバドミントンの特性を考えると、他国での大会に近づけるだけでなく、ファミリー観戦者に配慮して、カーペット敷きのフロアで映像観戦できるプレイルームやシニアルーム、託児サービスがあったら、とても素晴らしいと思っています。


大会サイトによれば、43,400人もの観客が訪れたというこの大会。もちろん、改善すべき点はあるようですが、私には、大成功だったように感じます。

また、何年か後に日本で、トマス杯・ユーバー杯が開催されてほしい。その時は、きっと見に行きたいです。


【関連リンク・参考文献】

ヨネックス トマス杯&ユーバー杯2006 大会サイト

*国際バドミントン連盟(IBF)のホームページ
Internationalbadminton

トマス杯&ユーバー杯ジャパン2006(日本協会)
  開催日程及び場所と出場役員選手の情報。

岩田良子のトマス杯&ユーバー杯ガイド(YONEX)
  シドニー五輪代表の岩田良子さんが解説。
   代表選手たちの様子も。

トマス杯&ユーバー杯ウェブ速報システム(日本ユニシス)

*『Internationalbadminton』(英語)
  
NEWS ARCHIVES のサイト
   期間中、レポートが紹介された。

バドミントン・マガジン 2006年4月号
  トマス杯&ユーバー杯
   プレビュー 第一弾
   カウントダウン

*バドミントン・マガジン 2006年5月号
  トマス杯&ユーバー杯
   直前プレビュー
   カウントダウン
   別冊付録 観戦ガイド

*バドミントン・マガジン 2006年6月号 p.7
  ヨネックス トマス杯&ユーバー杯ジャパン
  「熱気のなかで」

*バドミントン・マガジン 2004年7月号
  特報トマス杯/ユーバー杯
  「この輝きとともに前へ」

*バドミントン・マガジン 2000年7月号
  トマス杯&ユーバー杯 大特集


 
 

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