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トマス杯ユーバー杯アジア・オセアニア予選2002
最後の扉が開きかけた日
(2002.02.27 All About Japan バドミントン初出記事を再録)
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トマス杯ユーバー杯アジア・オセアニア予選ステージが、2002年2月20日〜22日、オーストラリアのメルボルンで行われ、日本男子、女子は、準決勝ステージ進出を果たしました。 |
50年以上の歴史を持つ男子国別対抗戦トマス杯
と 初開催から46年目の女子国別対抗戦ユーバー杯
。現在、2年おきに開かれている両大会は、バドミントン選手にとって、とても栄誉ある大会です。今年、2002年は、本戦(決勝ステージ)が中国で行われます。
決勝ステージに出場するためには、予選、そして準決勝ステージを勝ち抜かねばなりません。その
アジア・オセアニア予選準決勝ステージが、2002年2月20日〜24日、オーストラリアのメルボルンで行われました。
準決勝ステージに進出するためには、予選A、B、各グループリーグの2位までに入らなければなりません。シングルス3戦、ダブルス2戦を
7ポイント5ゲーム制、世界ランキング順同士で戦います。
男子は、マレーシア、日本、シンガポール、香港、オーストラリアが Aグループで、韓国、タイ、台湾、そしてマカオが
Bグループで戦うことになりました。
(前回優勝のインドネシアと開催国中国は、予選、準決勝ステージ免除。)
女子は、韓国、インドネシア、タイ、オーストラリアが Aグループで、香港、日本、シンガポール、マレーシア、そして台湾が Bグループで戦うことになりました。
(前回優勝で開催国の中国は、予選、準決勝ステージ免除。)
大会初日20日、現地時間の9時から、日本女子は、台湾チームと対戦しました。
シングルスの森かおり選手(世界ランキング13位、以下、同様に
2002.2.14付け)、米倉加奈子選手(同18位)、田中美保選手(同164位)、ダブルスの中山智香子(別ペアで同19位)/吉富桂子(別ペアで同96位)ペアは、格下の相手に、それぞれゲームカウント
3-0で勝利。
ダブルスの山本静香/山田せい子ペア(同14位)は、シードペアとして臨んだ昨年のヨネックスオープンジャパンでも1回戦で対戦して敗れている
Yu-Chin CHIEN/Wen-Hsing CHENGペア(同10位)に、7-5 6-8 7-8 7-8 で、惜しくも雪辱なりませんでしたが、日本女子は台湾チームを
4-1 で倒しました。
続いて現地時間午後3時から、日本女子は、シンガポールチームと対戦しました。
森かおり選手、米倉加奈子選手は、格下の選手に、山本静香/山田せい子ペアは、世界ランキング13位のペアに、それぞれゲームカウント
3-1で勝利。
中山智香子/吉富桂子ペアは、Yanmei JIANG/Fatimah KUMIN LIMペア(同34位)に、1-7 8-6 5-7 4-7
と、シングルスの田中美保選手は、Luxi XIAO選手(同85位)に、7-3 7-5 1-7 2-7 6-8 と、惜しくも敗れましたが、日本女子はシンガポールチームも
3-2 で倒しました。
現地時間午後6時半からは、日本男子が地元オーストラリアチームと対戦しました。
シングルスの佐藤翔治選手(同56位)は、ゲームカウント
3-0 で、大束真也選手(同100位)、中西洋介選手(同138位)、ダブルスの久保田雄三(別ペアで同190位)/今井紀夫(別ペアで同55位)ペア、舛田圭太/大束忠司ペア(同30位)は、それぞれゲームカウント
3-1 で初戦を飾り、オーストラリア戦 5-0 と勝利。幸先の良いスタートを切りました。
大会2日目21日、この日は男女ともマレーシアチームが相手です。
現地時間午後2時から、日本男子対マレーシアチームが始まりました。スター選手たちとの戦いは、苦しいものでした。
一番手、佐藤翔治 選手は、昨年のマレーシアオープン覇者の ONG Ewe Hock 選手(同9位)に 2ゲームセティングで取ったものの、ゲームカウント
1-3 で負けてしまいましたが、国際バドミントン協会のWorld Badminton Online に「思ったより時間がかかった」とコメントされた、試合時間37分でした。
続く舛田圭太/大束忠司ペアは、世界選手権やヨネックスオープンジャパンでベスト4に入った、CHEW Choon
Eng/CHAN Chong Mingペア(同6位)にゲームカウント 0-3 、久保田雄三/片山卓哉ペア(同190位)は、CHANG
Kim Wai/HONG Chien Hun ペア(同21位)に、中西洋介選手は、オランダオープンの優勝者である
LEE Tsuen Seng 選手(同10位)に、それぞれゲームカウント 1-3 で敗れました。
大束真也選手は、会場を湧かせたようです。スイスオープン2001とヨネックスオープンジャパン2001を制した
Roslin HASHIM 選手(同12位)に、2ゲーム、3ゲームとセティングを演じ、ヒジの故障を抱えるHASHIM 選手は、4ゲーム目に棄権しました。マレーシアオープン2001ではストレートで負けた相手です。ハプニングとはいえ、自信になるといいですね!
日本男子は、マレーシアチームに 1-4 で敗れました。
現地時間午後6時半から、日本女子対マレーシアチームが始まりました。
森かおり選手、米倉加奈子選手、田中美保選手、ダブルスの中山智香子/吉富桂子ペアは、それぞれ世界ランキング22位、45位、72位の選手、23位のペアにゲームカウント
3-0で勝利。
山本静香/山田せい子ペアは、LIM Pek Siah/ANG Li Peng ペア(同24位)に、ファイナルまで63分の戦いの末、敗れましたが、日本女子はマレーシアチームも
4-1 で倒しました。
大会3日目22日は、予選ステージ最終日。この日までの結果をもって、準決勝ステージへの進出国が決まります。特に日本男子は、1日に2ヶ国との対戦をどちらも勝ち抜かねば夢がかないません。チームが全力で戦います。
現地時間10時から、日本男子が 香港チームと対戦しました。
シングルスの佐藤翔治選手は、Agus HARIYANTO 選手(同13位)に、中西洋介選手は、NG
Wei 選手(同43位)に、それぞれゲームカウント 0-3 で敗れて、早くも大ピンチです!
ここで登場したのは、全日本総合選手権4連覇の日本チャンピオン、昨年のダブルス専念の結果、世界ランキング外となっている
舛田圭太選手。TAM
Lok Tin 選手(同168位)をゲームカウント 3-0 で倒しました。
続く久保田雄三/片山卓哉ペアは、WONG Tsz Yin(別ペアで同186位)/Agus HARIYANTO
ペアにゲームカウント 3-1 で勝利〜
舛田圭太/大束忠司ペアは、格上の LIU Kwok Wa/Albertus Susanto NJOTO ペア(同22位)をゲームカウント
3-0 で撃破! 日本男子は香港チームを 3-2 で倒し、希望をつなぎました。
現地時間午後2時からは、日本女子が 香港チームと対戦しました。
これまで、安定した得点源だった森かおり選手は、WANG Chen 選手(同5位)にファイナルまで、米倉加奈子選手は、LING
Wan Ting 選手(同16位)に、ゲームカウント 1-3 と、健闘したものの敗れてしまいました。
ここで昨年の骨折休養から復活の田中美保選手が、KOON Wai Chee Louisa 選手(同29位)にゲームカウント
3-0で勝利!
ダブルスは、山本静香/山田せい子ペアが順当にゲームカウント 3-0で勝ちましたが、中山智香子/吉富桂子ペアは、先ほど森選手、米倉選手を倒したシングルス勢による香港ペアに、セティングもあったもののストレートで敗退、日本女子は香港チームに
2-3 で敗れました。
この結果、ユーバー杯アジア・オセアニア予選ステージ Bグループ は、香港、日本、シンガポールが勝敗で並び、さらに香港と日本はマッチ率でも並んだために、直接対決で上位の香港チームが
1位通過、日本チーム女子は 2位で準決勝ステージへ進みました。
現地時間午後6時半から、いよいよ日本男子が準決勝ステージ進出をかけて、インドネシアからの移籍組が強敵の シンガポールチームと対戦しました。
いきなり佐藤翔治選手がやってくれました! 世界ランキング17位の Indra WIJAYA
選手をファイナルで破ったのです! 1-7 4-7 8-7 7-0 7-2 やったー!
大束真也選手は、Ronald SUSILO 選手(同28位)に、ゲームカウント 0-3 で敗れましたが、舛田圭太選手が
Hendra WIJAYA 選手(同104位)を 56分、ゲームカウント 3-1 で倒し、くいさがります。
シンガポールチームは、双子のエースダブルス(同41位)を崩してきました。久保田雄三/片山卓哉ペアは、Hendri
Kumiawan SAPUTRA/Dicky PURWOTJUGIONO ペアにファイナル、ゲームカウント 2-3、55分で惜しくも敗れましたが、続く舛田圭太/大束忠司ペアがWandri
Kumiawan SAPUTRA/LAU Kim Pong Patrick (別ペアで70位)ペアをゲームカウント 3-0 で退けました!
日本男子はシンガポールチームも 3-2 で倒し、トマス杯アジア・オセアニア予選ステージ Aグループ では、マレーシアに続く
2位で、待望の準決勝ステージに上ることができました !!
2002年5月9日〜19日、中国で行われる決勝ステージを目指して、トマス杯・ユーバー杯への戦いは、続きます。
トマス杯(男子)アジア・オセアニア準決勝ステージに進出を決めたのは、予選 Aグループリーグ 2位までのマレーシア、日本と、予選
Bグループリーグ 2位までの韓国、タイです。このうち 3ヶ国が決勝ステージへの切符を手にできます。日本チームは、なんとか3位に入って決勝ステージに進むことが悲願です。
ユーバー杯(女子)アジア・オセアニア準決勝ステージに進出を決めたのは、予選 Aグループリーグ 2位までの韓国、インドネシアと、予選 Bグループリーグ
2位までの香港、日本です。女子は、 4ヶ国とも決勝ステージに進めますが、本戦での有利なシードを得るためには、ぜひとも、より上位を目指して勝っておきたいところです。
準決勝ステージはトーナメント。シングルス3戦、ダブルス2戦を 7ポイント5ゲーム制、世界ランキング順同士で戦いますが、今度は、どちらかのチームが
3マッチを先に制したところで、他のゲームは打ち切りになります。
日本チームは、昨日まで、男女とも対戦国の多い予選グループだった上、きびしい戦いを勝ち上がった疲れが心配です。
準決勝ステージ初戦、23日、日本チームは、男女ともに 2年前のトマス杯・ユーバー杯決勝ステージでベスト4に入っている強敵、韓国チームが相手です。2月23日、現地時間の午後6時半時から始まりました。
日本女子対韓国チーム。
第1シングルスの 森かおり選手(世界ランキング13位、以下、同様に 2002.2.14付け)は、JUN Jae
Youn 選手(同17位)に 7-4 7-4 3-7 8-7で勝利。(45分)
第1ダブルスの 山本静香/山田せい子ペア(同14位)は、スイスオープン2001優勝で世界選手権2001ベスト4の
LEE Kyung Won/RA Kyung Min ペア(同9位)に 6-8 3-7 0-7で敗れました。(36分)
第2シングルスの 米倉加奈子選手(同18位)は、SEO Yoon HEE選手(同144位)に 0-7 7-4 7-2 7-4で勝利。(51分)
第2ダブルスの 中山智香子(別ペアで同19位)/吉富桂子(別ペアで同96位)ペアは、HWANG
Yu Mi(別ペアで同41位)/JOO Hyun Heeペアに4-7 7-5 2-7 3-7で敗れ、(44分)マッチカウントが 2-2となりました。
最終シングルスは、田中美保選手(同164位)と KIM Kyeung Ran選手(ランキング不明)の対戦です。この試合で捻挫をしてしまったという田中選手は、7-4 5-7 1-7 4-7(50分)で敗れ、日本女子は韓国チームに惜しくも
2-3 で敗退しました。
日本男子対韓国チーム。
第1シングルスの 佐藤翔治選手(同56位)は、ジャパンオープン2001準優勝、韓国オープン2001、インドネシアオープン2001ベスト4の
LEE Hyun Il 選手(同7位)に 1-7 5-7 0-7で敗れました。(28分)
続くダブルスの 舛田圭太/大束忠司ペア(同30位)は、シドニー五輪銀メダルの LEE Dong Soo/YOO
Yong Sungペア(同18位)に 4-7 1-7 5-7で敗れました。(28分)
第2シングルスの 大束真也選手(同100位)は、SHON Seung Mo選手(同21位)に 1-7 0-7 5-7(27分)で敗れ、日本男子は韓国チームに
0-3 で敗退しました。
準決勝ステージ3位決定戦 は、現地時間の24日11時から始まりました。
日本男子対タイチーム。アジアカップでは日本が勝ったこともあるタイチームですが、かなりの実力派。スディルマンカップでは倒されました。日本男子は、決勝ステージへの最後の扉を開けることができるでしょうか。正念場の対戦です。
第1シングルスの佐藤翔治選手(同56位)は、昨年から大物ぐいとして名を馳せながらランキングを駆け上がってきた対戦相手、Boonsak
POLSANA 選手(同15位)のお株を奪うかたちで、 0-7 8-6 5-7 7-1 8-6とファイナルセティングによる勝利を得ました!(60分)
第2シングルスの 中西洋介選手(同138位)は、Anupap THIRARATSAKUL選手(同95位)に
4-7 0-7 4-7(37分)で敗れました。
第3シングルスは、期待の日本チャンピオン、 舛田圭太選手。Jakrapan
THANAYHIRATHAM選手(同141位)を 7-1 7-5 4-7 3-7 7-3(56分)とファイナルで倒しました!
続くダブルスの 久保田雄三/片山卓哉ペアは、かなり格上の Khunakom SUDHISODHI/Patapol
NGERNSRISUKペア(同19位)に 7-4 1-7 3-7 2-7で敗れました。(55分)マッチカウントが 2-2 です。
最終決戦は、舛田圭太/大束忠司ペア(同30位)と Pramote TEERAWIWATANA/Tesana
PANVISVASペア(同7位)の対戦です。スディルマンカップ2001でのリベンジを果たしたいところでしたが、単複登場の舛田選手は、シングルスでファイナルまで、56分の戦いが影響していないはずがありません。2-7 5-7 0-7(31分)で敗れました。
日本男子はタイチームに惜しくも 2-3 で敗退しました。国際バドミントン協会のWorld Badminton
Online に「4時間もの怯えた時間を続けたマラソンセッション」とコメントされた、壮絶な対戦でした。
日本女子対インドネシアチーム。
第1シングルスの 森かおり選手は、ROSALINA Atu 選手(同27位)に 7-0 7-0 8-7で勝利。(26分)
第1ダブルスの山本静香/山田せい子ペアは、シンガポールオープン2001ベスト4の Jo NOVITA/Eny
ERLANGGAペア(同8位)に 8-6 7-2 7-5で勝利。(40分)
第2シングルスの 米倉加奈子選手は、Ellen ANGELINA選手(同33位)に 8-6 7-2 7-5で勝利。(35分)日本女子は、3人連続ゲームカウント
3-0 で、インドネシアチームに勝ちました!
この結果、日本女子チームは、ユーバー杯準決勝ステージを 3位で通過。5月9日から中国で行われる決勝ステージでは、グループB
リーグで、中国、韓国、ドイツと同組で戦う予定です。(グループA リーグは、デンマーク、香港、インドネシア、オランダ。)
ハードな戦いになると思いますが、ベスト4は、射程圏内でしょう。ぜひ、力を込めて応援しましょう! 選手のみなさん、がんばってくださ〜い
!!
ビックチャンスを得て、あと少しで開きそうだった扉。日本男子チームには、本戦へのチケットが手に入らなかったけれど、このすごい経験を自信に、前に前に進んでいってくださいね! 歴史的な大会「メルボルンの悲劇」をリアルタイムで応援でき、幸せに思います。
【関連リンク・参考書籍等】
*World Badminton Online
2002 Thomas & Uber Cup competitions のサイト(英語)
*オーストラリアバドミントン協会による
2002 Thomas + Uber Cups のサイト(英語)
*日本バドミントン協会のホームページ
第22回トマス杯・第19回ユーバー杯
*日本バドミントン協会のホームページ
National
Team ナショナルチーム日記
トマス杯/ユーバー杯アジア/オセアニア予選編
*JEFホームページ
バドミントン100問集
編集余話・トマス杯・ユーバー杯大会について(龍井昇治さん)
*バドミントンマガジン2002年3月号
トマス杯/ユーバー杯プレビュー
[第1弾] アジア予選展望
*バドミントンマガジン2000年7月号
トマス杯ユーバー杯 2000 特報
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