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第57回全日本総合バドミントン選手権大会(名古屋)
全日本総合2003観戦記 その2
(2003.12.27)
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11月9日(日)、名古屋市千種スポーツセンターで行われた全日本総合バドミントン選手権大会2003決勝。観戦記その2は、女子ダブルスと男子ダブルス、そして女子シングルスのレポートです。 |
全日本総合2003観戦記
その1 から続く。
女子ダブルス決勝
山本静香/山田せい子 13-15 15-10 15-2 小椋久美子/潮田玲子
世界ランキングで 7位、8位と肉薄する昨年の女王、中山智香子/吉富桂子ペアを準決勝で倒して決勝進出した山本/山田ペア。世界での活躍が伝えられる中、2000年の優勝以来、全日本決勝のステージから遠ざかっていました。
社会人2年目の小椋/潮田ペアは、準決勝で全日本社会人優勝の松田友美/赤尾亜希ペアをファイナルで下しての登場です。
11月6日付の世界ランキングは、8位の山本/山田ペアと26位の小椋/潮田ペア。力のこもった素晴らしい戦いでした。
第1ゲーム、お互いミスの多いなか 3-4から抜けだし 12-5 とリードした小椋/潮田ペア。高い身長と長いリーチを活かし、ドライブでは膝を折ってうまく対応します。スピードある展開と長いラリーに息をのみながら、これは一方的な試合になるかと思われました。
しかし、8-12 と追い上げた山本/山田ペア。お互いチャンスがあれば攻撃の手をゆるめません。小椋選手のスマッシュ連打などで
14-8 となりました。
山本/山田ペアは、ここからゆるい球をうまく使い、ハーフに落としたり、ドロップやゆるいスマッシュで相手のミスを誘い、13-14と追い上げました。しかし、ラリーから陣形を崩されてサービスを渡すと、取り返すことができず、このゲームは、小椋/潮田ペアが取りました。
第2ゲーム、勢いにのって 5-1 とリードした小椋/潮田ペアでしたが、山本/山田ペアの攻撃が決まり出します。クロススマッシュ、カット、プッシュ。すごいラリーの続く中、拾って拾って攻めて、8-5
と逆転しました。
そのまま技ありで追いつめて 11-6 とリードを広げましたが、自らもロブとネットのミスに苦しみ、11-10 と追い上げられます。
集中を上げた山本選手のプッシュが冴え、山田選手のスマッシュも決まって、山本/山田ペアが第2ゲームを
15-10 でつかみました。
第3ゲーム、決意を持って攻撃に燃える小椋/潮田ペア。コースを突き、相手のフォーメーションを崩す山本/山田ペア。若手ペアに気持の空回りや迷いがあったのかもしれません。あふれる気合いを味方につけることができたのが経験の差でしょうか。
しのいで、しのいで、攻めてラリーしながら、山本/山田ペアは、4-2 からファーストサービスで連続加点。マッチポイントを握り、悲鳴を上げながらのラリーを征して
15-2、ゲームカウント 2-1 で 2003年女子ダブルス日本一となりました。手に汗握る感動的な戦いでした。
男子ダブルス決勝
舛田圭太/大束忠司 15-5 15-4 酒井将之/木下政彦
世界ランキングで 15位につける舛田/大束ペアは、日本ペアでは二番手の世界24位、仲尾修一/坂本修一ペアを準決勝で倒して登場。2度目の2連覇を狙います。(世界ランキングは
11月6日付け。)
昨年8強の酒井/木下ペアは、今年の全日本社会人では4強に入り、26才、25才と遅咲きながら力をつけ、同チームのディフェンディングチャンピオンに挑戦です。
第1ゲーム、1-1 から 6-1 と連取した舛田/大束ペアに、酒井/木下ペアも速くて力強いスマッシュ連打で立ち向かいます。うまさで
9-2、11-3 と離した舛田/大束ペア。大束選手の動きがとてものっています。
生き生きとした弾むリズムの動きと、長身の木下選手が前で仁王立ちしてサービスプッシュを行うなどは、リンペレ/ヒアンペアを思わせた酒井/木下ペア。両ペアの集中した攻撃的ラリーは、見ていて気持ちの良いゲームです。それでも、徐々に加点した舛田/大束ペアがこのゲームを取りました。
第2ゲームもスピードにのって攻める姿勢を崩さない酒井/木下ペア。何度も何度もサービス権を得ながら、そこでの得点が入らないことが惜しいです。舛田/大束ペアは、バリエーション豊かなショットと攻撃パターンで差をつけました。スマッシュとプッシュの連打があり、粘るレシーブあり。吠えるスマッシュとペアへのかけ声がゲームを彩ります。
9-2 から舛田選手のジャンピングスマッシュ、大束選手の高速スマッシュ連打で
13-2。ネット周りなどで 4-13 とした酒井/木下ペアでしたが、反撃もそこまで。ゲームカウント
2-0 で舛田/大束ペアが2003年男子ダブルスの頂点に立ちました。後味の良い爽快な試合でした。
女子シングルス決勝
森かおり 1-11 13-12 11-3 平山 優
挑戦者、平山選手は、昨年のインターハイを2年生で征し、今年は全日本ジュニア選手権女王。この全日本総合選手権には、高校生として10年ぶりとなる決勝進出、日本オリンピック委員会の五輪ユースエリートという注目ルーキーです。
世界ランキング16位、日本ランキング3位と、どちらも出場選手中トップにつける一昨年のチャンピオン、森選手にとって、昨大会1回戦敗退の記憶を含め、受けて立つプレッシャーは大変なものだったと思われます。(世界ランキングは
11月6日付け、日本ランキングは 2003年10月21日付け。)
第1ゲーム、森選手は精彩を欠き、まるで私の知らない選手のようでした。シャトルがコントロールされず、明らかなアウトやミスショットが続いて衝撃的。焦りからか思い切りの良さも見られません。森選手がサービスを得たのはトスを含めて4回と、このゲームは、あっという間に終わってしまった印象でした。
第2ゲーム、森選手は立ち直ります。序盤は、ラリーの中で上手いヘアピンが決まったり、ポイントをしつこく攻めるなど、2-0
とリードします。
しかし、長いラリーの後、平山選手の逆クロスカットが決まると、森選手が第1ゲームのようにアウトを連続。4-2
と逆転され、そこからサービス権が行き来を繰り返して、森選手が 4-4 と追いつきました。
試合は、この舞台にふさわしい、ライン際の攻防、キレのあるショット、集中と緊張のラリーが増えてきます。平山選手のアウトが重なり
8-6 とリードした森選手は、スマッシュ、プッシュと攻撃。平山選手も高い技術と知的な攻めでじわりじわりと追い上げ
9-9。アウトとインの迷いから森選手が失点し、平山選手が 10-9 とマッチポイントを得ました。
森選手のクロスのロブを叩いてネットにかけてサービスオーバー。平山選手のカットがアウトでセッティングとなりました。ここで悪夢の第1ゲームを思い出すような、彼女らしくないプレーで
10-12 とされた森選手。会場の多くの人々は、平山選手の勝利を確信したと思います。
ですが、ここからが長かった。ラリーが続く展開で、どちらも譲りません。ふたりの高揚した頬が美しいです。平山選手が5回目のマッチポイントを逃すと、思い切りの良いスマッシュで攻めきった森選手がこのゲームを取りました。
第3ゲーム、気迫と集中力を取り戻し、声を上げる森選手に対して、笑顔の平山選手は、心も身体も疲れていたのでないでしょうか。アウトすることが増え、プレーに焦りが見えました。
ボディ攻撃が冴える森選手。長いラリーも丁寧につなぎ、最後には得点を手にします。2-3
から抜け出た森選手の好調に対し、平山選手の頑張りも結果につながりませんでした。最後に見送ったロブもインとなり、11-3、森選手がゲームカウント
2-1 で2003年女子シングルスの頂点に立ちました。
終わってみれば、2003年の全日本総合選手権も、力のあるものがタイトルを勝ち取ったと納得する素晴らしい大会だったのではないでしょうか。今年も感動を胸に会場をあとにすることができて、とても幸せでした。
【関連リンク・参考書籍等】
*愛知県バドミントン協会『バドミントン愛知』
内閣総理大臣杯・文部科学大臣杯争奪
平成15年度 第57回 全日本総合バドミントン選手権大会のサイト
*日本バドミントン協会のホームページ
平成15年度
全日本総合バドミントン選手権大会のサイト
*『バドミントン情報 from 京都』
内閣総理大臣杯・文部科学大臣杯争奪
平成15年度 全日本総合バドミントン選手権大会のサイト
*ヨネックス www.yonex.co.jp
全日本総合バドミントン選手権大会2003のサイト
*三洋電機バドミントンチーム公式サイト
2003年試合結果
全日本総合バドミントン選手権大会
*トナミ運輸バドミントン部のホームページ
平成15年度全日本総合選手権大会
*日本ユニシスバドミントン部のホームページ
平成15年度全日本総合選手権大会
*クラブユニシス
バドクラブ
全日本総合選手権大会、レポート号
*クラブユニシス
バドクラブ
全日本総合、日本リーグ応援号
*NTT東日本シンボルチーム
バドミントン
公式戦 2003 全日本総合選手権大会
男子シングルス
試合結果
女子シングルス
試合結果
男子ダブルス
試合結果
女子ダブルス
試合結果
混合ダブルス
試合結果
*NTT
北海道バドミントンチーム
GAMES 2003
平成15年度全日本総合バドミントン選手権大会
*『バドミントン情報 from 京都』
全日本総合バドミントン選手権大会
歴代優勝者のサイト
*カレント・バドミントン カレント・レポート
『2003年
埼玉県春日部市・幸手市
第46回全日本社会人選手権結果』
*カレント・バドミントン カレント・レポート
『平成15年度全日本総合選手権大会を観戦しよう!
名古屋市千種スポーツセンターへ』
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