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世界選手権2003バーミンガム
山本静香/山田せい子銅メダル!
(2003.10.16)
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第13回世界選手権は SARSの影響により延期され、2003年7月28日〜8月3日、英国のバーミンガムで開催。世界の強豪がひしめく中、日本選手は持てる力を出し切り、女子ダブルスで山本静香/山田せい子ペアが銅メダルを獲得!手応えの大きい大会となりました。 |
2年に1度、開かれるバドミントン世界選手権は、国際バドミントン連盟(IBF)が7星大会に指定する最高レベルのイベントです。エントリーにも細かな規定があり、各国協会が威信をかけて代表選手を派遣します。アテネ五輪を前に力の入ったビックスター達を集める
2003年第13回大会(QI IBF World Championships 2003)は、新型肺炎の重症急性呼吸器症候群、SARSの影響により延期され、7月28日〜8月3日、英国のバーミンガム(National
Indoor Arena)で開催されました。
延期された期間中も積極的に海外大会に参加し、世界ランキング(WR)を維持、向上できた日本代表は、新たに出場権を得たり、幾組かが組み合わせを好位置に付けることができました。(世界ランキング
WR は 2003.7.31付け。)
男子シングルス
優勝は、シドニー五輪銅メダリストの XIAXuanze
選手(中国 WR4位)。序盤の楽な戦いから準々決勝でKenneth JONASSEN 選手(デンマーク WR2位)も納得の好ゲーム(95分間)を征し、決勝では、マレーシアの期待を一身に背負った
WONGChoong
Hann 選手(WR7位) に強い心で戦い、ファイナル86分間の後、頂点に立ちました。
他に準決勝に進出したのは、HASHIM 兄弟(マレーシア)、LEEHyun II 選手(韓国)のつぶし合いをすり抜けた
BAOChunlai
選手(中国 WR33位)。そして、ファイナル勝負を続け、3戦目には第1シードの CHEN Hong 選手(中国 WR1位) を激戦の後、倒した23歳の
SHONSeung
Mo 選手(WR25位)です。韓国選手として8年ぶりの世界選手権ベスト4でした。
日本選手は、山田英孝選手(WR10位)がシードを得、ベスト16に入りました。CHEN
Hong 選手(WR1位)にも7本、9本と得点する健闘です。
佐藤翔治選手(WR22位)は、PARKTae
Sang 選手(韓国 WR34位) に 8-15、8-15 、大束真也選手(WR63位)は、NGWei
選手(香港 WR11位)に11-15 3-15、舛田圭太選手は(WR85位)は、準優勝の
WONGChoong Hann 選手に 5-15 11-15 と惜しくも1回戦敗退でした。
女子シングルス
優勝は、28歳の Zhang
Ning 選手(中国 WR1位)。 7点5ゲーム制を機に引退を撤回した彼女でしたが、15点3ゲーム制でも調子は全く問題なし。決勝では、ディフェンディングチャンピオンに44分間と苦しみましたが、すべてストレートで世界の頂点に立ちました。
準優勝は、GONG
Ruina 選手(中国 WR3位)。準々決勝で XIE Xingfang 選手(中国 WR7位)に全英のリベンジを果たし、苦しんで上がってきた
Zhou
Mi 選手(中国 WR6位)も退けましたが、そこまででした。
4人の出場枠を使った中国の選手が入らなかったドローからベスト4に勝ち上がった Mia
AUDINA TJIPTAWAN 選手(オランダ WR2位)ですが、Zhang Ning 選手には、19分で敗れました。
日本選手は、シードを得た 米倉加奈子選手(WR9位)が2回戦、ドイツの
Nicole GRETHER 選手(WR28位)にファイナル、セティング、57分間と苦しみましたが勝ち上がり、準々決勝では、Mia AUDINA
TJIPTAWAN 選手に敗れベスト8でした。ヨネックスの松村 雄太郎さんから米倉選手の談話をご紹介いただきました。
「2月の全英と同じ会場ながら、今回はエアコンによる風があった。しかも朝の練習時と本番の試合では風の舞い方が逆になった。2回戦でドイツの選手
Nicole GRETHER と対戦し、第3ゲームは4−8から10−8へ逆転。10−10と追いつかれ、10−11とひっくりかえされたが、セティングにもつれこむ。何度かサービスオーバーがあり、最後13−10で勝利。「これまでは競ると自分のプレーができなくなっていたが、呼吸の仕方、リズムをうまく変えることができた。冷静にプレーを変えられた。」ミア・アウディナ戦は「第1ゲーム序盤こそ競れたが、ここぞというところでの集中が凄かった。相手を自分のペースに引き込む、相手のいい所をださせないうまさがあった。」
森かおり選手(WR22位)は、第15シードの
Kelly MORGAN 選手(WR17位)を破って2回戦へ。次も勝ち、Zhou Mi 選手には 5-11 6-11と健闘してベスト16でした。
サテライト大会転戦で出場を勝ち取った嶋田友紀選手(WR39位)は、初戦、スロベニアの
Maja POHAR 選手(WR115位)を倒し、2回戦で対戦した Zhou Mi 選手に 9-11 5-15 3-15 45分間と1ゲーム取る大善戦で惜しくも敗退しました。
シード選手となった田中美保選手(WR16位)は、英国の
Tracey HALLAM 選手(WR23位)にファイナル、50分間で敗れ、番狂わせと報じられています。
男子ダブルス
第1、第2シードの韓国 HA Tae Kwon / KIM Dong Moon(WR3位 1999年大会優勝)、 LEE Dong Soo
/ YOO Yong Sung (WR1位 シドニー五輪銀メダル)の両ペアが相次いで棄権。(HA 選手の腰痛とYOO 選手の肘の故障)混戦のなか本命視された
Candra
WIJAYA / Sigit
BUDIARTO ペア(インドネシア WR10位 1997年大会優勝)は、国の期待の重さに屈したか、準優勝。王者に届きませんでした。
優勝は、Lars
PAASKE / Jonas
RASMUSSEN ペア。(デンマーク WR5位)Candra / Sigit ペアに 15-7 13-15 15-13 80分と戦い抜き、うれしい栄冠を得ました。
ベスト4には他に、中国の若手 FU
Haifeng / CAI
Yun ペア(WR37位)と、舛田/大束ペアを含めファイナル3連戦を勝ち上がった SANG
Yang / ZHENG
Bo ペア(WR77位)が入りました。
日本選手は、シードを得た仲尾修一/坂本修一ペア(WR17位)が幸運なドローでベスト16に進出。FU
/ CAI ペアには、8本、5本で敗れましたが、初出場で大健闘ですね。一方の舛田圭太/大束忠司ペア(WR8位)は、シードながら
SANG / ZHENG ペアと当たる不運。17-15 12-15 10-15 97分間という長丁場を勝ち上がることができずに悔しい敗戦でした。
女子ダブルス
山本静香/山田せい子ペア(WR8位)が日本選手として23年ぶりの銅メダルを手にしました! 初戦は不戦勝。Nicole
GRETHER / Juliane SCHENK ペア(ドイツ WR11位)、Mia AUDINA TJIPTAWAN / Lotte BRUIL-JONATHANS
ペア(オランダ WR4位)をストレートで倒し、準決勝では、WEI
Yili / ZHAO
Tingting ペア(中国 WR1位)に9本、11本 63分間と善戦。中国ペアが2組ずつ同じ山に入り、そのうちひとつには、韓国の
RA Kyung Min / LEE Kyung Won ペアもいるという組み合わせも幸運でしたが、より高みへの可能性もうかがわれる、素晴らしい成績でした。
優勝は、 ディフェンディングチャンピオンの
GAO Ling / HUANG
Sui ペア(中国 WR3位)でした。
ベスト4には、ほかに Rikke
OLSEN / Ann-Lou
JORGENSEN ペア(デンマーク WR2位)が入りました。
シードを得た日本の中山智香子/吉富桂子ペア(WR6位)は、2回戦、イングランドの
Ella TRIPP / Joanne WRIGHT ペア(WR84位)に 10-15 15-10 15-12 76分間で勝利。準々決勝では、OLSEN
/ JORGENSEN ペアに 2-15 15-8 7-15 82分間で敗れましたが、立派な戦いぶりですね。
混合ダブルス
優勝は、KIM
Dong Moon / RA
Kyung Min ペア(韓国 WR7位)。男子ダブルスを棄権した KIM 選手とアテネ五輪後に引退を決め最後の世界選手権となった
RA 選手が実力を発揮しました。
準優勝は、ディフェンディングチャンピオンの ZHANG
Jun / GAO
Ling ペア(中国 WR1位)。
ベスト4には、他に、 CHEN
Qiqiu / ZHAO
Tingting ペア(中国 WR11位)と、 Jonas
RASMUSSEN / Rikke
OLSEN ペア(デンマーク WR4位)が入りました。
日本から出場した 今井紀夫/中山智香子ペア
(WR12位)は、2回戦に勝ち進み、Anggun NUGROHO / Eny WIDIOWATI ペア(インドネシア WR17位)に 13-15 15-10 7-15 66分間と惜しくも敗れました。
大束忠司/山本静香ペア(WR16位)は、2回戦から登場し、
Frederik BERGSTROM / Johanna PERSSON ペア(スウェーデン WR27位)に敗れました。
栄光の世界選手権バーミンガム大会は、すばらしい大会でしたね。気迫のこもった戦いぶりは、国際バドミントン連盟の大会サイトでリアルタイムで伝えられました。
日本バドミントン協会のサイト にあるレポートには、日本選手の奮闘が記録されています。
タイトルにこだわった中国、ケガに泣いた韓国、プレッシャーに負けたマレーシア、インドネシア。。。 各国とも気合いが入って悲喜こもごものドラマがあったようです。日本代表の堂々とした戦いぶりには、2004年夏のアテネ五輪への期待がふくらみますね。
【関連リンク・参考書籍】
*国際バドミントン連盟(IBF)のホームページ
World Badminton
Online
*イングランドバドミントン協会のホームページ
WORLD
CHAMPS 2003 のサイト
*日本バドミントン協会のホームページ
第13回世界バドミントン選手権大会のサイト
*三洋電機バドミントンチーム公式サイト
試合結果2003年7〜9月
第13回世界選手権大会
*トナミ運輸バドミントン部ホームページ
国際試合結果
第13回世界バドミントン選手権大会
*バドミントンマガジン 2003年9月号 p.7
バーミンガム世界選手権「晴れやかな前進」
*カレント・バドミントン カレント・レポート
『2001年スペインセビリア大会
第12回世界選手権結果』
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