2003年日本のトップ選手は?
(2003.01.03 All About Japan バドミントン初出記事を再録)
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2003年がスタート! それぞれの条件の中、アテネ五輪出場、シード権獲得を標的に世界で戦う日本のバドミントン選手について宮本キミコがまとめてみました。 |
2003年、ひつじ年が明けました! 今年も楽しい1年にしたいですね。グッドな初夢を見られたかな?
バドミントンのトップ選手たちにとっては、アテネ五輪を翌年にひかえ、重要なチャレンジが始まっています。
国際バドミントン連盟(IBF)による世界ランキングを上げて五輪への出場権、シード権を手に入れるため、各自に許された条件内で世界各地の様々なグレードの国際大会参加が計画されていることと思います。飛躍のチャンスを生かさねばなりません。日本選手たちもきっと続々と結果を出し、私たちをワクワクさせてくれることでしょう。
日本バドミントン協会(NBA)は「5位入賞、メダル獲得」を目指して体制を強化します。各国の代表枠は、シドニー五輪の場合と同じならば、2名あるいは2ペアまで、世界ランキング16位以内に入れば各種目3名あるいは3ペアです。実際は、16位以内に3名以上入る国もあるため、16位がボーダーラインとは限りません。すべての種目にエントリー、入賞できたならば、うれしいですよね! 応援したいです!
バドミントン・マガジン2003年1月号
「特別企画」アテネ五輪を考える(p.42)に紹介されたNBAによるアテネ五輪強化指定選手8名は、年間予算
3000万円で強化が図られます。日本オリンピック委員会のサイトにある「平成14年度オリンピック強化指定選手数」(夏期アテネ)は、バドミントン男子9名、女子11名なので、この減少は少数精鋭への路線転換ですね。
さらに、この記事によりますと、強化指定選手に加えて日本ランキング上位4ペア4単の海外派遣があり、強化指定選手以外は自費での遠征参加とのことで、「派遣枠より下位の選手は、上位選手が出場を辞退した場合、ランク順にエントリーできる」というのは、所属チームの金銭的支援があるなどの資金を調達できる選手に機会が広がりました。
しかし、強化指定選手ではなく遠征費を工面できない選手にとっては、以前の「日本ランキング上位3ペア4単は NBAによる派遣で、国内で16位までのメンバー全員に国際大会への参加をオープン化」に比べ厳しい制度となりました。
日本ランキング上位をキープすることに頑張ってきた選手には、突然のつらい変革ですね。不平等感があります。日本オリンピック委員会(JOC)の理念に反しているようにも思います。選手自身のマネジメントが求められるということでしょうか。企業スポーツの危機が言われる中、この制度が吉と出るのか否か心配でもあります。
最新の世界ランキングは、2003年1月2日付。日本ランキングは、2002年11月12日付。主な日本選手のランキングを見てみましょう。
男子シングルス 世界 日本
山田英孝選手 30位 3位
舛田圭太選手 47位 1位
中西洋介選手 67位 7位
大束真也選手 75位 2位
佐々木翔選手 93位 6位
佐藤翔治選手 102位 5位
女子シングルス
*米倉加奈子選手 8位 1位
森かおり選手 24位 2位
田中美保選手 59位 3位
嶋田友紀選手 83位 10位
関本祥子選手 105位 7位
男子ダブルス
*大束忠司/舛田圭太ペア 12位 1位
今井紀夫/大山宏司ペア 37位 3位
仲尾修一/坂本修一ペア 38位 7位
川前直樹/新開祐介ペア 94位 6位
片山卓哉/久保田雄三ペア 104位 2位
女子ダブルス
山本静香/山田せい子ペア 7位 2位
*中山智香子/吉富桂子ペア 42位 1位
森かおり/鬼池めぐみペア 44位 3位
*小椋久美子/潮田玲子ペア 50位 13位
大坂千尋/中島暁子ペア 63位 5位
混合ダブルス
*大束忠司/山本静香ペア 15位 なし
*舛田圭太/吉富桂子ペア なし なし
*印はアテネ五輪強化指定選手
日本代表かどうかで海外派遣のチャンスに差があったことや、参加した大会のグレードによる獲得ポイントが異なるために、国内で微妙な戦いを繰り広げる選手たちの間でも世界ランキングに大きな差があったり、国内であまり目立たなかった選手が高いランキングにいたりします。
シドニー五輪代表を獲得した井川里美/永峰弘子ペアにならうように、代表選手が参加しないサテライトなどの大会で好成績を積み重ね、じわじわと世界ランキングを上げてきている選手たち。
たとえば、IBF のサイト World Badminton Online で、全日本社会人2002準優勝の嶋田友紀選手が昨年6大会に出場し、スコットランド銀行国際選手権優勝、イラン国際準優勝など活躍していたことを知りました。
中西洋介選手
は、西オーストラリア国際優勝、プエルトリコオープン準優勝。佐々木翔選手は、ナイジェリア国際優勝、佐藤翔治選手は、同大会準優勝です。
仲尾修一
/ 坂本修一
ペアは6大会、大坂千尋
/ 中島暁子
ペアも4大会に参戦して頑張りました。
山田英孝選手
は、代表としての大会の他にサテライト大会などでもポイントを加算しています。頼もしいですね。
2003年は、2年に1度開催される世界選手権(5/12〜5/18)の年です。今回から別会期で行われる国別対抗戦スディルマンカップ(3/18〜3/23)では、前大会
8位の善戦から順位を上げることができるか、期待がふくらみます。男女の全種目で戦うので燃えるんですよね!
日本バドミントン協会は、1月27日から2月1日にかけて、スディルマンカップに向けた代表合宿を計画しています。
そのほか、新春早々、1月6日から始まるタイオープン2003
など、IBF のINTERNATIONAL
CALENDAR には、スケジュールが満載です。注目していきたいですね。
国内では、様々な全国大会に加えて、なんと言っても日本リーグ2002オールスター戦である
第2回バレンタインカップ(2/2 埼玉県春日部市総合体育館)が楽しみです。最高に盛り上がった第1回大会のような愉快でエキサイティングなイベントにするには、観客のみなさんのノリが大切! 関東のファンも前回の関西の熱気に負けないで盛り上げてね!
今後、日本のトップ選手は、所属チームの理解を得ながら、海外での大会参加をメインにスケジュール調整を行い、全日本社会人や国体参加は、見送られるケースが増えるようです。国体もスリム化のために、有力選手が出場しない種目は削減する方向を検討するなど、ここでもバドミントン競技への逆風が心配されます。
でも、今が脱皮の季節であることは確かです。大きな責任を負って走り出したチャレンジの成果をめげずに見守りましょう。そして、よい方向へ進むための意見を持ちましょう。眺めているだけでは、日本のバドミントンに参加してることにならないですから。国内でも春には、女子と混合ダブルスの11点3ゲーム制が始まるかもしれません。
今年も、がんばりましょうね。日本選手もファイト!
【関連リンク・参考書籍】
*バドミントン・マガジン2003年1月号
「特別企画」アテネ五輪を考える
*国際バドミントン連盟のサイト
World Badminton Online (英語)
*国際バドミントン連盟のサイト
INTERNATIONAL CALENDAR (英語)
*日本バドミントン協会のホームページ
*カレント・コラム
『日本協会の「変革」のゆくえを知りたい
日本バドミントンはどう変わる?』
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