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日本ランキングサーキット2003(東淀川体育館)
日本RC2003シングルス観戦記
(2003.06.25)
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2003年4月24日(木)〜28日(月)、大阪府大阪市立東淀川体育館で日本ランキングサーキット2003が開催されました。観戦記前編では、26日(土)に行われた男女シングルスの順位決定最終日についてレポートします。 |
日本の頂点を標的にできるポジションのバドミントン選手にとっては、アテネ五輪出場を目指し世界各地で行われる大会に参戦し、世界ランキングポイントをより多く獲得する挑戦が始まっています。
今年は、日本バドミントン協会(NBA)によるアテネ五輪強化指定選手8名に加えて日本ランキング上位4ペア4単の海外派遣(強化指定選手以外は自費)があり、「派遣枠より下位の選手は、上位選手が出場を辞退した場合、ランク順にエントリーできる」と派遣条件が変更されました。
アテネ五輪強化指定選手
WS 米倉加奈子選手
MD 大束忠司/舛田圭太ペア
WD 中山智香子/吉富桂子ペア
WD 小椋久美子/潮田玲子ペア
XD 大束忠司/山本静香ペア
XD 舛田圭太/吉富桂子ペア
日本ランキングサーキット戦を免除されたアテネ五輪強化指定選手はともかく、それ以外の選手が日本代表として国際大会にエントリーするためには、日本ランキング上位につけることがとても重要となります。今回の大会は、五輪強化指定選手と辞退者分を順次繰り上げた上位16位までの選手で行われました。
という訳で、4月26日(土)、日本ランキングサーキット2003観戦に大阪市立東淀川体育館に行ってきました。男女シングルスの順位決定最終日のもようを私なりにレポートします。
会場は、新大阪駅から歩いて数分のアクセス便利な体育館です。9時を少しまわったころ、路地にある階段を上った入り口には人影もなく、観覧席にいるのは日本のトップ指導者のみなさんでした。
フロアにはコートが5面。練習する選手の表情は真剣で、響き渡るシャトルを叩く音、ショットの響きが迫力満点です。
9時20分、試合前のコート清掃が始まりました。10人以上の役員さんがガムテープで落ちた羽を集めたり、ネットを張り直したりしています。
9時30分、4面のコートそれぞれで男子シングルス順位決定戦の試合が始まりました。私がはじめに向かったのは、決勝戦の対戦です。
出場選手中、日本ランキング2位の山田選手は、26才。シドニー五輪も経験し、全日本社会人選手権優勝など実績を積んだ貫禄漂う登場です。一方の新開選手は、大学3年生。出場選手中のランキングは13位とダークホース的勝ち上がりでした。
山田英孝 15-2 15-3 新開裕介
序盤は、一進一退。スマッシュ、プッシュと決める新開選手に対して、山田選手はゆるいカットやロブ、クリアと多彩な攻め。ミスから5点を失った新開選手。ネットがよくなり立ち直ったかに見えましたが、山田選手のうまさに得点までいかず、最後は集中が切れた感じで1ゲームを落としました。
第2ゲームも迫力と技術の山田選手に対して、素直さを感じた新開選手のショット。3-10 と離されてからは、中途半端になってしまった返球から3点連取されました。ここから粘って、美しいヘアピンの応酬などでサービスオーバーを繰り返しましたが、ミスが続いた後、山田選手のジャンピングスマッシュで試合が決まりました。
コートを移動して、3位決定戦を途中から観戦しました。
出場選手中、日本ランキング6位の中西選手は社会人2年生。2000年、2001年と全日本総合選手権ファイナリストとなっています。所属チームを移籍した川口選手は出場選手中のランキング9位。同年対決です。
中西洋介 13-15 15-9 15-11 川口馨士
第2ゲーム、川口選手が 9-8 とリードした場面からでしたが、9-9 と追いつかれ、クリアの打ち合いでインを見送り、その後スマッシュミスを続け集中が切れたのか、連続失点でこのゲームを落としました。
ファイナルゲーム、クリア、カット、クロスドロップ、スマッシュ。ぎりぎりをねらう気迫の戦いは、6-2と中西選手がリード。ヘアピンの勝負を見事に抜け、5-6
と追い上げた川口選手でしたが、中西選手の強気の積極プレーがじりじりと引き離し、11-5 。叫び声を上げ、気合いを入れる中西選手。しかしここから長い戦いとなりました。
気持ちの切れない丹念なラリー。スピードの緩急と前後の揺さぶり。サービスが行き来し、攻撃する川口選手。12-9 と苦しくなり、観客席に目をやる中西選手。ここで川口選手にミスが出て
9-14 。粘って 10-14 。攻める中西選手に対してロブで 11-14 。きわどいスマッシュを決めた中西選手が吠え、次のサービスリターンはアウト。ナイスゲームの決着がつきました。
女子シングルス決勝は、三洋電機のチームメイト同士の戦いです。
出場選手中の日本ランキングは、森選手が1位、田中選手が2位。23才と27才。ふたりとも全日本総合選手権を征した実績ある選手です。集中し、張りつめた雰囲気が二人を包んでいます。
田中美保 11-9 11-3 森かおり
第1ゲーム、森選手のペースで始まり 9-3 とリードをゆるした田中選手。ネット際で優位に巻き返してミスを誘い、10-9 と逆転しました。苦手な高さに攻め、ボディに打ち込むなどでプレッシャーをかけ、最後は、森選手にミスが出て、田中選手がこのゲームを取りました。
第2ゲーム、森選手は、アウトショットで連続失点し、0-6 。焦りからか、シャトルに追いついていてもネットにかけるなどもありました。ここから根気のラリーが続き、最後は、お互いミスでサーブが動きます。7-3
から森選手のリターンが浅くなるなど、ほんの少しのミスが重なって勝負がつきました。
美しいショットと頭脳戦。力強く、しっかりしたラリーの応酬は、崇高ささえ感じ、息をのみました。
日本RC2003ダブルス観戦記 に続く。
【関連リンク・参考書籍等】
*日本バドミントン協会のホームページ
2003年日本ランキングサーキット大会のサイト
*バドミントンマガジン2003年6月号
p.86 「2003年 日本ランキングサーキット」
*三洋電機バドミントンチーム公式サイト
2003年試合結果
日本ランキングサーキット
*トナミ運輸バドミントン部
国内試合結果
日本ランキングサーキット大会
*日本ユニシスバドミントン部
2003年日本ランキングサーキット
*NTT東日本シンボルチーム
バドミントン部
公式戦2003
日本ランキングサーキット大会試合結果
*NTT北海道バドミントン部
games 2003
日本ランキングサーキット試合結果
*カレント・バドミントン カレント・レポート
『プライドの激突を目撃しよう!
日本ランキングサーキット2003』
*バドミントンマガジン2003年5月号
p.79 GO FOR ATHENS アテネへの道
*カレント・バドミントン バドミントンリンク集
『国内選手を知る、応援する』
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